コロナ禍で実施が一般化したオンラインでの臨床実習について、九州大学大学院医学研究院の菊川誠准教授らの研究グループが全国の医学生にアンケート調査をしたところ、医師の診療や実技を中心としたさまざまな教育的アプローチが必要なことが分かった。

 九州大学によると、調査は2020年5~6月、国内の78医学部に所属する医学生1,711人を対象に、オンライン臨床実習での講義の頻度や医師の診療見学回数、オンラインでの技術的トラブルの回数、教育成果などについて聞き取り、解析した。

 その結果、課題提出を除くすべての教育的アプローチが高い満足度やモチベーション、課題提出と多職種会議への出席を除くすべての教育的アプローチが知識習得と関連していた。医師の診療見学や実技、多職種会議への出席は技能習得、課題提出は自習時間の増加と関連が見られた。小テスト以外の教育的アプローチは医療チームの重要性に関する深い理解、オンライン実習での技術的な問題はモチベーションの低下や知識習得、技能習得の制限と関連することが明らかになった。

 研究グループはオンライン実習でもさまざまな教育的なアプローチを実施することが重要で、教育効果を損なわないために、インターネットに関する技術的な問題の発生を最小限にとどめる必要があるとしている。

論文情報:【Internal Medicine】Educational Approaches That Enhance Online Clinical Clerkship during the COVID-19 Pandemic

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