日本漢字能力検定協会は、2017年8~10月、全国の大学・短期大学などを対象に、漢字の読み書きと運用能力を測定する「日本漢字能力検定(漢検)」と論理的な文章能力を客観的に測定する「文章読解・作成能力検定(文章検)」の入学試験等における活用状況を調査。その結果を公表した。

 調査によると、2018年度入学試験において、出願要件や点数加算等で「日本漢字能力検定(漢検)」を活用すると回答した大学・短期大学は全国1,069校中(大学753校、短期大学316校)53.2%にあたる569校だった。「漢検」を活用する入試の種別は、推薦入試が349校と最多で、次いでAO入試が339校、一般入試が87校となった。

 大学・短期大学の入試で、出願要件・試験免除・点数加算などに活用される対象となる級は、主に漢検2級(高校卒業・大学・一般程度)・準2級(高校在学程度)。だが296校が、取得級にかかわらず漢検資格を「入試時に考慮・参考にする」と回答した。また、入学試験時だけでなく、入学後、受験料や入学金、授業料を減免する経済的援助や単位認定にも活用している大学、短大も見られた。

 「文章読解・作成能力検定(文章検)」においては、全国の大学・短期大学の1069校中の約43%にあたる460校、3校に1校が「文章検」を資格として評価、活用。特に推薦入試・AO入試において「文章検」を活用していることがわかった。

 2013年の秋から始まった「文章検」は、複数の能力が関連した総合的な技能である「文章能力」を、「読解力(要約・構成)」「作成力」「基礎力(語彙・文法)」の3つの力に分類し、それぞれの知識や能力を客観的な採点基準に基づいて点数化する。現在、入学試験だけでなく、企業の社員研修や大学の初年次教育、中学・高校の授業、昇格試験等の能力測定の場で主に活用されている。

参考:【日本漢字能力検定協会】大学における「漢検」資格活用状況調査
   【日本漢字能力検定協会】大学における「文章検」資格活用状況調査

大学ジャーナルオンライン編集部

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