神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科では、徳野慎一教授をはじめとする研究グループの自閉症の早期判定技術開発に向けてクラウドファンディングを開始した。

 神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科では、未病コンセプトに基づく社会システムや技術の革新を起こすことができる人材の育成とともに健康長寿社会を実現する研究活動を実践している。また日本初・国内最大級のクラウドファンディングサービスを運営するREADYFOR株式会社と業務提携を締結し、研究者等に対するクラウドファンディングのサポート等を通じ、研究活動を推進している。

 徳野慎一教授をはじめとする研究グループは「声から病気を判定する技術開発」を進めており、現在、赤ちゃんの泣き声の特徴と睡眠パターンを組み合わせた解析で自閉症の可能性を発見し、より早期に支援するための技術開発を目指している。

 研究グループは「自閉症スペクトラムの赤ちゃんの泣き声(泣き方)が、自閉症ではない赤ちゃんの泣き声(泣き方)と比較して、音声学的にも異なる」という仮説を実証するため、育児支援デバイスを利用する1歳6か月以上の子供5,000名を対象に泣き声と睡眠データを収集し、それらを解析することで自閉症患児と健常児の差異を見出す。加えて、保護者にアンケートを実施し、解析データとの関連を検証する。

 今回、赤ちゃんの声を解析できる人材を雇用するための研究資金を確保するとともに、広く一般にプロジェクトを伝え、自閉症スペクトラムに対する理解を広めていく目的で「READYFOR」でのクラウドファンディングに挑戦する。赤ちゃんの泣き声に関する研究は、「音声データ×医療」の視点を「乳幼児の小児医療」へと応用させていく大きな一歩となる。目標金額は700万円(AllorNothing形式※)。募集期間は2022年10月25日から12月23日(金)23時までの59日間。

※AllorNothing形式とは、期間内に集まった寄付総額が目標金額に到達した場合にのみ、実行者が寄付金を受け取れる仕組み

参考:【READYFOR】赤ちゃんの泣き声と睡眠から、自閉症スペクトラムの早期判定への研究を

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