神戸大学は国内初となる中小企業の合併、買収を研究する拠点「中小M&A研究教育センター」を大学院経営学研究科に設置する。日本M&Aセンターホールディングスと産学連携協定を結び、研究成果を実務に生かすことで後継者不足に悩む中小企業の事業継続を支援する。
神戸大学によると、中小M&A研究教育センターは日本M&Aセンターホールディングスから研究費の助成を受けて若手研究者を育成する。研究費は1件当たり100万円をめどにして、年間5~10件を予定している。
日本M&Aセンターホールディングスが所有する約7,000件の企業データ提供や企業の紹介を受け、研究と実務の相乗効果を図るとともに、大学院生や若手研究者を対象とするインターンシッププログラムも導入する。
中小企業は日本国内の企業の99%を占め、長く日本経済を支えてきたが、経営者の高齢化や人手不足の慢性化で2025年までに全国の約60万社が黒字廃業する可能性があると指摘されている。その中には高い技術力や伝統技術を持つ企業があり、事業継承の推進が国の重要施策に浮上している。それを解決する方法として考えられているのがM&Aで、近年M&Aの実施件数が増えているものの、研究対象としてはそれほど注目されていなかった。
参考:【神戸大学】神戸大学が国内初の中小企業M&Aの研究教育拠点を創設 日本M&Aセンターホールディングスと連携、若手研究者を育成