文部科学省は東京工業大学と名古屋大学を世界最高水準の教育研究活動が見込まれる指定国立大学法人に追加した。東北、東京、京都の3大学に続く指定で、東京工業大学は学外生や卒業生も参画する「未来社会デザイン機構」による未来像の立案、名古屋大学は地域の国立大学間の壁を取り払うマルチ・キャンパスシステム構想などが評価された。

 文科省によると、東京工業大学は未来像の立案だけでなく、プロボスト(※1)制導入によるガバナンス体制の強化、大学が保有する資産の有効活用を通じた財務基盤の強化、研究力強化のための具体的な戦略などが期待されている。
名古屋大学はマルチ・キャンパスシステム構想のほか、ダイバーシティを意識した国際化の取り組み、指定共同研究制度による本格的な産学連携、世界的に卓越した研究拠点を目指した「化学・生物学融合分野」など重点分野の指定が高い評価を受けた。

 指定国立大学法人はわが国の教育研究水準の向上とイノベーション創出を図るため、文部科学省が指定しているもので、2016年度に国立大学7法人が応募した。2017年6月に東北、東京、京都の3大学を指定、東京工業、一橋、名古屋、大阪の4大学を指定候補とし、構想の充実と高度化を求めていた。指定候補のうち、一橋、大阪の両大学については引き続き、構想の充実と高度化を求め、条件が整った段階で再審査する。

※1 プロボスト 主に教員を監督し、統率する役目を負い、学長と教授らの橋渡しをする役職。米国では学長を補佐する教務局長の役割をする要職を指す

参考:【文部科学省】第3期中期目標期間における指定国立大学法人の追加指定について

大学ジャーナルオンライン編集部

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