ふるさと納税を活用して学校へ寄付できるようにする地方自治体が増加しているのを受け、文部科学省は全国の取り組みをまとめた事例集を作成、ホームページで公開を始めた。私立学校を運営する学校法人が少子化時代に安定した資金を確保するため、参考になるとしている。
文科省によると、事例集は全5ページ。ふるさと納税を活用して私立学校運営の学校法人が資金を得る仕組みと意義を解説したほか、具体的な取り組み事例として新潟県南魚沼市と学校法人国際大学、神戸市、北海道江別市と学校法人酪農学園の3事例を紹介している。
南魚沼市は2015年から国際大学と提携し、南魚沼市のふるさと納税「国際大学応援と交流の推進コース」への寄付を始めた。寄付は10%が南魚沼市の小中学生を対象とした国際化推進事業、残り90%が国際大学へ留学してきた学生の奨学金の原資などに充てられている。
神戸市は2020、2021年度に新型コロナウイルス感染症で学修活動や日常生活に支障をきたした学生に対し、大学食堂の食券配布や感染者支援、生理用品の無料配布を行ったが、その原資に寄付金を当てた。
江別市は就職や進学で市内を離れた人たちが地元の後輩を支援できるふるさと納税の新制度を7月にスタートさせた。集まった寄付金は2023年度、市内の大学や高校に補助金として交付する。寄付してくれた人には返礼品として酪農学園が運営する酪農学園大学の実習で生産されたアイスクリームなどの乳製品を贈る。