全国の大学の6割弱が保有不動産を活用して賃貸経営していることが、野村不動産ソリューションズとニッセイ基礎研究所の調査で分かった。民間調査機関が実施した2011年の調査では3割だっただけに、収入確保に保有不動産の活用を始める大学が増えている。

 調査は2022年7~10月、全国の国公私立大学817校を対象に実施、107校から有効回答を得て集計した。
それによると、保有不動産の賃貸・貸付については、「ある」と回答した大学が56%あった。私立大学は51%にとどまったが、国公立大学は70%に上っている。賃貸・貸付をする目的は「収入の多様化」が61%、「未利用施設・未利用地の有効活用」が54%、「地域社会への貢献」が41%だった。

 資産運用目的での賃貸不動産については、「資産運用目的で保有している」と答えた大学が9%で、「現在は保有していないが、今後取得を検討している」と回答した大学が4%あった。

 大学経営は18歳人口の減少が続く中、国の補助金・交付金が長く減少を続けたこともあり、厳しさを増しているといわれている。しかし、大学のキャンパスなどでは未利用施設や未利用地が少なくない。今後、安定した収入確保を目指して賃貸経営や資産運用を検討する大学が増えそうだ。

参考:【野村不動産ソリューションズ】野村不動産ソリューションズ法人営業本部CRE情報部ニッセイ基礎研究所と共同で大学の不動産戦略におけるアンケートを実施~保有不動産の賃貸経営を行っている大学は6割 ~(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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