横浜市教育委員会は2023年度の小学校教員採用試験で大学が推薦する3年生を対象とした特別選考制度を設ける。教員の内定時期が遅いため、教員をあきらめて一般企業に就職する学生が多いことを問題視した結果で、大学3年生に教員内定を出すのは全国で初めてとみられる。

 横浜市教委によると、特別選考は大学からの書類選考で1次試験を免除し、論文や模擬授業、面接による2次試験で合否を決める。合格発表は2023年10月、最終的な内定は大学3年次の学業成績も参考にしたうえで2024年4月に出す予定。具体的な募集人員は3月中に決定する。特別選考で不合格となっても次の年に実施する教員採用試験を受験できる。

 教員採用試験は大学生の教員離れが深刻で、採用倍率の低下がたびたび問題視されている。教員の仕事が繁忙化する中、人手不足が深刻さを増しており、教員不足に頭を痛める教育委員会が後を絶たない。

 文部科学省は内定時期が民間企業より遅いことにも一因があるとして、都道府県や政令指定都市の教育委員会に対し、採用試験実施時期の早期化や複数回実施の検討を求めている。これを受け、東京都教委や相模原市教委など採用試験の一部を大学3年生で受けられるようにする教育委員会が出ているが、横浜市教委はさらに一歩踏み込んで3年生に内定を出すことにした。

参考:【横浜市教育委員会】令和5年度実施横浜市公立学校教員採用候補者選考試験について(お知らせ)

大学ジャーナルオンライン編集部

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