文部科学省は2月に発生し、5万人以上の人命が失われたトルコ南部地震の総合調査に対し、科学研究費助成事業から約4,200万円の支援を決めた。東京大学など16機関の33人がトルコ政府と協力して、被害状況の把握と地震発生のメカニズム解明、情報発信のあり方などを調査する。
文科省によると、調査は東京大学地震研究所の楠浩一教授を代表者に、東京大学、北海道大学、東北大学、筑波大学、東京工業大学、工学院大学、名古屋大学、京都大学、兵庫県立大学、鳥取大学、香川大学、愛媛大学、国土地理院、防災科学技術研究所、海洋研究開発機構、産業技術総合研究所から33人の研究者が加わる。
調査のテーマは5つ。1つは「衛星測地等による地殻変動と災害把握」で、地球観測衛星「だいち2号」の高解像度画像を用い、地殻変動の推定と災害把握を進める。2つ目が「地震発生機構の解明」。一連の地震活動発生過程を明らかにする。
3つ目が「強震観測による災害発生機構の調査」。余震活動が活発なうちに臨時観測を行い、地震被害の発生状況と広大な地域で大きな揺れが起きたメカニズムを解明する。4つ目は「災害調査による構造物被害の解明」で、極めて広い範囲で建物が倒壊した原因を調べる。
5つ目が「大規模広域地震災害マネジメントとリスクコミュニケーションの解明」。情報発信のあり方や防災教育について多角的に検討し、災害に強い地域づくりに向けた活動を展開する。
参考:【文部科学省】「2023年トルコ南部の地震と災害に関する総合調査」に対して科学研究費助成事業(特別研究促進費)による助成を行います