国内外で宇宙産業が大きく成長することが見込まれる中、鳥取県は、地域の将来を支える産業の一つとして、「鳥取県から宇宙産業を創出する」というチャレンジを進めている。今回、鳥取大学乾燥地研究センターの敷地内に整備中の「鳥取砂丘月面実証フィールド」を国内外の企業・研究者に広く知ってもらい活用してもらうため、フィールドの愛称を募集する。
「鳥取砂丘月面実証フィールド」は、宇宙産業を創出する取組を進めている鳥取県において、鳥取砂丘が月面開発に取り組む国内外の企業・研究者が集まり、交流する拠点になることを目指す鳥取砂丘月面化プロジェクトの一環として整備しているもの。場所は、鳥取大学乾燥地研究センターの敷地内(国立公園外)にあり、面積約0.5ヘクタール。鳥取砂丘の現地(国立公園外)にある砂をそのまま活用し、月面環境を想定した実証実験を行うための平面ゾーン、斜面ゾーン(5度~20度程度)、自由設計ゾーン(利用者が自由に掘削・造成可能)で構成するなど、フィールドの潜在ユーザーの声をもとに設計した。
「鳥取砂丘月面実証フィールド」は2023年年6月末に整備が完了し、7月中にオープニングイベントを開催する予定。完成に先立ち、現在、この実証フィールドの愛称を募集している。募集期間は5月24日(水)~6月11日(日)。県内外の誰でも応募でき、一人で複数の応募も可能。専用ウェブサイトから応募する。決定した愛称は、7月中旬に発表する予定。
鳥取大学乾燥地研究センターは、鳥取砂丘の西側に位置し、元は農学部附属砂丘利用研究施設だった。砂丘の研究で得た知恵と技術を国際的な問題に応用するため、1990年に乾燥地研究センターに名称を改めた。文部科学省の「共同利用・共同研究拠点」に認定されており、乾燥地科学研究の全国の拠点となっている。約1平方キロの敷地内には、研究棟、様々な解析装置、乾燥地の気象条件を再現する装置など、優れた研究環境が整備され、また、砂丘の砂でできた圃場や、植林地や海浜植物の生態系を保護したフィールドもある。さらに、これまでの研究成果や、乾燥地での自然や人々の暮らしを紹介した展示室や、乾燥地の有用植物を集めた半円形の大型温室(アリドドーム)も備えている。