名古屋市立大学大学院看護学研究科の窪田泰江教授と下着専門店フランデランジェリーを運営する株式会社フランは「吸水ショーツは女性のQOLを本当に高められるのか?」をテーマにした共同研究を行った。

 株式会社フランは、アメリカで生まれた吸水ショーツについて、アジア系の女性の体形に合う穿き心地と日用品として手に入りやすい価格帯を目指して「吸水サニタリーショーツcomfits」シリーズを企画した。comfitsは生理日に1枚で使用できる吸水機能があり、洗濯して汚れを落とせば繰り返し使う事が可能。日本の吸水サニタリーショーツブームの先駆け的なブランドの一つとなり、生理に関する多様な悩みを抱えた女性社員がアイディアと意見を出し合い開発されたため消費者の評判は高かったが、フェムテックブームによって注目を集めた吸水サニタリーショーツ市場には安価な粗悪品も多く出回るようにもなったという。

 そこで、今一度原点に戻り、自信を持って消費者に必要な商品になり得るのかを公正に検証したいとの思いから、名古屋市立大学大学院看護学部の窪田泰江教授と「吸水ショーツは女性のQOLを本当に高められるのか?」をテーマにした共同研究を開始した。

 生理がある被験者を対象に吸水ショーツcomfitsを実際に使用してもらい検証を行なった結果、約90%の女性被験者が生理に対するネガティブな気持ちが軽減したとの回答が得られた。具体的に快適になった事として「肌負担の軽減を感じた」「トイレに行く回数が減った」「蒸れにくくなった」「不安や不快感が減った」「気分が良くなった」といった意見があがった。また、具体的なメリットとして「環境への配慮」「コストの削減」「伝い漏れがない安心感」「肌荒れしなかった」「生理グッズの持ち運びの手間がない」などがあり、73%が「今後も吸水ショーツを使用したい」と回答した。

 一方、デメリットとしては「臭い」「洗濯の煩わしさ」「漏れないかの不安感がある」「乾きにくさのために枚数を揃える必要がある」等が挙げられ、今後の課題も浮き彫りとなった。フランではこの結果を踏まえて商品を改善し、更なる商品満足度の向上を図るとともに、より多くの女性が快適に使える用マーケティングの強化にも取り組んでいく。さらに、超高齢化社会に向けて吸水ショーツで養った技術や経験をもとに医療や介護での軽失禁対応の商品を開発し、男女ともにより多くの方のQOL向上に努める。

参考:【PR TIMES】吸水ショーツcomfitsと名古屋市立大学 大学院看護学研究科が共同研究を実施 約9割の人が吸水ショーツの使用で「生理に対するネガティブな感情が軽減した」と回答

名古屋市立大学

次世代をリードする優れた人材の育成、国際的・学際的研究に精力的に挑戦

医学部・薬学部からなる公立大学として開学し、現在は7学部7研究科からなる都市型総合大学。2016年には経済学研究科「医療経済マネジメントコース」、2017年には医学研究科「臨床医療デザイン学分野」、人間文化研究科「臨床心理コース」が開設され、新たな学術分野を切[…]

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