経済産業省と日本機械工業連合会などが主催する第8回ロボット大賞で、大学から文部科学大臣賞、国土交通大臣賞に東北大学、厚生労働大臣賞に藤田医科大学(※1)、優秀賞(インフラ・災害対応・建設分野)に筑波大学が選ばれた。表彰式は17日、東京都江東区有明の東京ビッグサイトで行われる。
経産省によると、ロボット大賞はロボット技術の発展を促すため、優れたロボットを開発した企業や団体を表彰する制度で、2006年にスタートして今回が8回目となる。今回は全国の企業、大学などから161件の応募があり、審査特別委員会の選考で各賞を決めた。
文部科学大臣賞に選ばれた東北大学田所、昆陽、多田隈研究室は、袋構造を三重にし、高柔軟性を持つグリッパ機構(※2)を開発した。国土交通大臣賞の東北大学フィールドロボティクス研究室は、ドローンとセンシング技術を活用して火山噴火時に立入制限区域内の地形、降灰厚などの情報を遠隔から取得、土石流発生を予測するシミュレーションシステムを生み出した。
厚生労働大臣賞に選ばれた藤田医科大学は、トヨタ自動車と共同で脳卒中などによる下肢麻痺者を対象としたリハビリテーション支援ロボットを開発した。優秀賞の筑波大学は大成建設とともに、建設現場で床に打ち込んだコンクリートを平滑に仕上げる作業を省力化するロボットの開発に成功した。
その他の受賞者は次の企業。
経済産業大臣賞 ファナック▽農林水産大臣賞 ナイルワークス▽中小・ベンチャー企業賞(中小企業庁長官賞) ニッコー▽日本機械工業連合会会長賞 がんこフードサービス、安川電機▽優秀賞(サービス分野) ATOUN▽優秀賞(社会実装部門) 清水建設▽審査員特別賞 自動化推進協会
※1 藤田医科大学 2018年10月10日から藤田保健衛生大学より名称変更
※2 グリッパ機構 対象物をしっかりと握り持つことができるロボットハンド