2021年の日本の研究開発費は世界国別ランキングで米国、中国に次ぐ3位を維持しているものの、伸びは他の主要国に劣ることが、文部科学省科学技術・学術政策研究所のまとめで分かった。特に大学部門の研究開発費は2000年代に入ってからほぼ横ばいで、学術面での日本の地位低下を象徴している。

 文科省科学技術・学術政策研究所によると、2021年の日本の研究開発費は18.1兆円。内訳は企業14.2兆円、大学2.1兆円、公的機関1.5兆円で、企業は3位だったが、大学は米国、中国、ドイツに次ぐ4位、公的機関も中国、米国、ドイツに次ぐ4位に位置している。伸び率は他の主要国に比べて小さく、大学はほぼ横ばいから脱却できていない。

 研究者数は70.5万人で、中国、米国に次ぐ3位を保った。内訳は企業52.9万人、大学13.5万人、公的機関3.0万人。企業は前年通り、中国、米国に次ぐ3位を維持したが、大学は中国、米国、英国に次ぐ4位、公的機関は中国、ドイツ、米国に次ぐ4位と、前年の3位から順位を落としている。

 ただ、この順位変動には英国と中国で研究開発費や研究者数の見直しがあり、米国の大学、公的機関の研究者数がOECD(経済協力開発機構)によって公表されたことも影響している。

 特許数は6.6万件で、前年に続いてトップ。居住国以外への商標出願数は12.1万件で、前年の5位から6位に順位を下げている。

参考:【文部科学省科学技術・学術政策研究所】「科学技術指標 2023」を公表します(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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