兵庫県の斎藤元彦知事と兵庫県立大学の高坂誠学長は共同記者会見を開き、兵庫県が開設する兵庫県立大学と芸術文化観光専門職大学の入学金、授業料について県内在住者に限って学部学生、大学院生とも所得に関係なく完全無償化する方針を明らかにした。大学院生は全国で初めて博士課程まで無償化する考えで、2026年度からの完全実施を目指す。
兵庫県、兵庫県立大学によると、完全無償化の対象となるのは、学生本人と父母ら世帯の生計維持者が入学日の3年以上前から兵庫県に在住していることが条件。在校生と新入生の支援格差を考慮して2024年度から高学年の在校生を対象に2年間、先行実施したうえで、完全無償化に入る。
これにより、入学年度別の学生納付金は2023年度の学部学生135万3,600円、大学院生188万9,400円が、2024、2025の両年度に学部学生、大学院生とも81万7,800円に軽減され、2026年度以降にゼロとなる。
県外在住者に対しては、兵庫県内の産業育成につながるとして入学金を現在の42万3,000円から国立大学並みの28万2,000円に引き下げる。年収500万円未満世帯の学生を対象とする兵庫県の独自支援は継続する。完全無償化に要する費用は約22億4,000万円と見込まれている。
大学の授業料など無償化では、大阪府が大阪公立大学の学部学生、修士課程までの大学院生に対し、免除する方針を打ち出しているが、博士課程を含めた対応は例がないという。
参考:【兵庫県立大学】兵庫県立大学の授業料等無償化について(令和5年8月21日記者発表)
【兵庫県】県立大学の授業料等無償化(案)(PDF)