2023年10月12日、大学図書館コンソーシアム連合と学術論文のオープンアクセス推進でオランダに本拠を置く学術出版社・エルゼビアは転換契約への合意を発表した。大学図書館が払っていた学術雑誌購読料を研究者が払う論文掲載料へ段階的にシフトする内容で、大学図書館連合会会員の京都大学、早稲田大学など57校がエルゼビアと交渉した。
大学図書館コンソーシアム連合によると、転換期間は2024年から3年間。今回の合意をベースに国内の各大学がエルゼビアと個別に契約を結ぶ。交渉に参加した57校を含む国内約140校が転換契約に興味を示しているという。交渉結果は購読とオープンアクセス出版を組み合わせることで、大学や研究者の負担を減らして大学のニーズに合った出版方式に切り替える狙いがある。
大学図書館コンソーシアム連合運営委員会委員長の小陳佐和子大阪大学図書館事業部長は「各大学が契約を結ぶまでにはさまざまな検討や調整が必要になるが、合意内容の実践でオープンアクセスの推進に取り組みたい」とのコメントを発表した。
エルゼビアは学術分野の出版や情報分析を手掛け、「セル」、「ランセット」など2,800以上の電子ジャーナル、4万6,000以上の電子書籍を刊行する。
参考:【エルゼビア BV】大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)とエルゼビア、質の高い研究への継続的なアクセスを提供しながら、 日本のオープンアクセス出版を加速させる提案に合意(PDF)