科学技術・学術審議会情報委員会のオープンサイエンス時代における大学図書館の在り方検討部会は、大学図書館のデジタル化に向けて1年間の審議まとめを公表した。大学図書館や大学が目標とすべき方向性を示した内容で、文部科学省は審議まとめに基づいて今後の施策を展開する。

 文科省によると、審議まとめでは、オープンサイエンス時代の大学図書館の役割として、既存コンテンツのデジタル化、アクセス環境最適化によるデジタル・アーカイブ基盤の構築、学術論文などのオープン化推進などを掲げた。

 デジタル・ライブラリーの実現では、利用者が何を求めているのかについて整理、再検討したうえで、利用者の意向を反映した最適な環境を構築する必要があり、、学修環境整備活動を大学図書館で行うのか、大学で進めるのかを検討すべきだとしている。

 人材育成では、デジタル化に伴って大学図書館職員に求められる知識やスキルを整理、再検討し、専門資格の新たな認定制度構築、専門職としての能力開発の促進、新しいキャリアパスの形成を進める必要があると指摘した。

 さらに、一大学一図書館という旧来の認識にとらわれず、複数の大学でコンソーシアムを形成して図書館運営をするなど、効果的な連携を検討することが求められているとして、国が新たな支援方法を検討すべきと提言している。

参考:【文部科学省】オープンサイエンス時代における大学図書館の在り方について(審議まとめ)(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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