岩手大学は、2025年度の理工学部・農学部の改組と獣医学部の新設計画を発表した。理工学部と農学部を改組し、農学部共同獣医学科を獣医学部として独立させる。※現在、文部科学省と協議中のため、計画が変更となる場合がある。
現在岩手大学には人文社会科学部、教育学部、理工学部、農学部の4学部がある。このうち、理工学部は3学科(化学・生命理工学科/物理・材料理工学科/システム創成工学科)8コースを理工学科の1学科とし、現行とは異なる8コースに再編する。
再編後の理工学部理工学科では、入学時は各コース配属候補者(仮配属)として受入れ、初年次は幅広い専門基礎教育を実施し、2年進級時に正式に配属となる。条件を満たせば入学時と異なるコース配属も可能で、柔軟に進路を選択できる(各コース配属人数に上限有り)。また、各コース専門教育と並行し、数理データサイエンスに関する教育が受けられる副プログラム制度を設け、専門的な技術課題の解決にデータサイエンスの知識を生かすことができる人材を養成する。
農学部では「食料」「生命」「環境」をキーワードに、これまでの理工学部化学・生命理工学科生命コースを組み込む。また、共同獣医学科を改組して獣医学部共同獣医学科を新設する。設置が認可されれば、東北の国立大学で初めての獣医学部誕生となる。岩手大学が新たな学部を設置するのは1977年の人文社会科学部以来。
獣医学部共同獣医学科は入学定員の変更はなく30名のまま。共同獣医学科は2012年度から東京農工大学と共同で設置したもので、学びもこれまで通り、東京農工大学との大学間共同教育システムを活用した基礎から応用まで広範な知識と技術を体系的に教育する点は変わりない。岩手大学と東京農工大学のほか、共同獣医学科を設置する大学は、北海道大学と帯広畜産大学、岐阜大学と鳥取大学、山口大学と鹿児島大学がある。