2024年1月1日、東京工業大学は豊橋技術科学大学、広島大学と半導体人材の育成で単位互換の覚書を締結した。日本の半導体復活に向け、革新的な半導体集積回路の研究開発をマネジメントできる人材を育成するのが狙いで、2024年度から網羅的な半導体人材育成プログラムが本格的に始動する。
東京工業大学によると、単位互換の覚書は文部科学省の「次世代X-nics(エックスニクス)半導体拠点形成事業で、革新的な半導体集積回路の研究開発をマネジメントできる人材育成のプログラムの取り決めを定めた。
3校が関連プログラムを提供し、対象となる学生が他大学の授業を履修できる仕組み。修得した単位は所属大学の単位として認定される。半導体拠点形成事業の対象拠点となる「集積Green-niX(グリーンニクス)に参加する他の教育機関もこのプログラムに参加し、さらに多くの学生に対して高度な半導体人材育成プログラムを提供する。
熊本県に台湾の半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が進出し、国産半導体の復活を目指してトヨタ自動車やNTTなどが出資するラピダスが北海道千歳市で工場建設を始めるなど、国産半導体を取り巻く状況が大きく変わりつつある。
しかし、業界の人材不足は深刻化する一方。半導体を含む電子部品・デバイス産業の従事者は2002年の48万人が41万人に減り、人材育成が国産半導体復活のカギを握ると指摘されている。