中九州短期大学(熊本県八代市)を運営する学校法人八商学園は理事会を開き、2025年度から学生募集を停止することを決めた。若者の4年生大学志向で志願者の減少に歯止めが掛からないためで、短大運営の継続が困難と判断した。

 中九州短期大学によると、同短大は熊本県八代(やつしろ)市にキャンパスを置いて1974年に開校した。これまでに約6,500人の卒業生を送り出し、現在は経営福祉学科と幼児保育学科の2科を持つ。しかし、2023年度の入学生は定員計100人に対し、59人しかなく、充足率6割を切った。2020~2021年度は7割を超えていたが、2022年度に6割に下がり、年ごとに充足率が低下している。

 経営福祉学科の情報・ビジネスコースを国際ビジネスコースに変更したのをはじめ、幼児保育学科の定員を80人から50人に削減するなど対応してきたが、充足率の低下を食い止めることができなかった。4月の新入学生が最後の在校生になる。熊本県南部では唯一の保育士養成機関だけに、保育士不足の拡大を懸念する声も出ている。

 熊本県の大学短大は、熊本市に集中しており、熊本市以外では、県北エリアの玉名市に公立化に向けた要望書を提出した九州看護福祉大学、県央エリアに東海大学阿蘇くまもと臨空キャンパスと平成音楽大学があるが、それ以外の都市では短大を含めて、八代市の中九州短期大学のみだった。中九州短期大学の募集停止で、県南エリアには大学短大はなくなる。

参考:【中九州短期大学】中九州短期大学の学生募集停止について

大学ジャーナルオンライン編集部

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