兵庫県西宮市の武庫川女子大学短期大学部が2025年度以降の学生募集を停止することになった。経営する学校法人武庫川学院が理事会で決めたもので、18歳人口の減少や女子学生の4年制大学・共学志向を考慮したとしている。

 武庫川女子大学短期大学部は1950年、武庫川学院女子短期大学として開学し、武庫川女子短期大学、武庫川女子大学短期大学部と校名を変更しながら、これまでに10万人を超す卒業生を送り出してきた。

 しかし、1986年をピークに入学生が減少、コロナ禍が始まった2020年度以降、減少が急加速した。現在は英語キャリア・コミュニケーション学科、心理・人間関係学科、食生活学科など7学科を開設しているが、2023年度は定員100人の英語キャリア・コミュニケーション学科で22人の入学生しかいないなど、大幅な定員割れに陥っている。

 このため、心理・人間関係学科と健康・スポーツ学科の学生募集を2023年度、日本語文化学科と英語キャリア・コミュニケーション学科を2024年度で停止することにしていたが、学生確保が困難などとして食生活学科、幼児教育学科、生活造形学科の残り3学科も2025年度で停止することを決めた。

 一方、四年制の武庫川女子大学では2023年度に心理・社会福祉学部(入学定員220名)、社会情報学部(180名)、健康・スポーツ科学部スポーツマネジメント学科(100名)を、2024年度に文学部歴史文化学科(80名)を新設した。また、2025年度には環境共生学部環境共生学科(120名)を新設する構想が出されている。環境共生学部環境共生学科では、理工系の素養をもって地球環境・自然環境問題に取り組む人生育成を目指し、1年次からフィールドワークや企業等との連携プロジェクト科目を展開するカリキュラムが予定されている。

 18歳人口が減る中、女子学生の短大離れは急速に加速しており、2025年度の募集停止ラッシュが起きている。学校基本調査によると、全国の短大入学志願者(女子)は、2013年度の9万4374人から減少し続け、2022年度では4万9614と、およそ半減している。

参考:【学校法人武庫川学院】武庫川女子大学短期大学部の学生募集停止について
【大学改革支援・学位授与機構】大学・高専機能強化支援事業 (学部再編等による特定成長分野への転換等に係る支援)【支援1】武庫川女子大学(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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