沖縄科学技術大学院大学の科学者たちが、沖縄周辺のサンゴ礁で見られるホソエダハナヤサイサンゴの風変わりな生殖法を発見した。通常みられる方法とは別の無性生殖で、これまでにオーストラリアと台湾の実験施設で観察されたことはあったが、沖縄で観察されたのは今回が初めてだという。

 同大学が管理する屋外水槽で、ホソエダハナヤサイサンゴの小さな群体が発見された。それまでいずれの成長したサンゴ群体も、有性生殖による
産卵の兆候を示していなかったため、この新たな群体の登場は研究者たちを驚かせた。

 サンゴは主に有性生殖によって繁殖するが、種類によっては無性生殖の方法も取る。ホソエダハナヤサイサンゴも、有性生殖と無性生殖のいずれも行うが、有性生殖の兆候が見られなかった今回の場合は、無性生殖と考えられた。最も一般的な無性生殖の方法は、親サンゴの群体の小さな破片が別の独立した群体に成長するという破片分散だが、壊れたサンゴの断片が確認できなかったため、新しい群体は破片分散によるものではないと研究者たちは考えた。

 あまり知られていない他の無性生殖方法として、ごく少数の種類のサンゴは、群体を形成することができる胞子の様な構造をしたプラヌラ幼生というものを放出する方法を取ることが知られている。ホソエダハナヤサイサンゴの新しい群体も、プラヌラ幼生の放出か、あるいは「ポリープ・ベイルアウト」と呼ばれる現象でポリープ自らが脱出して他の場所で生息し始めたことによるものと推測した。沖縄周辺でホソエダハナヤサイサンゴがこのような無性生殖を行えることが確認されたのは初めてだ。

 今回の発見により、今後サンゴ礁を保全していくために役立つ新たな戦略の可能性が広がると期待されている。

論文情報:【PeerJ】First evidence of asexual recruitment of Pocillopora acuta in Okinawa Island using genotypic identification

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大学ジャーナルオンライン編集部

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