電気通信大学は国立天文台との包括連携協定を2028年3月まで延長する形で再締結した。異分野連携による新たな共同研究の発掘を目指し、両機関に所属する研究者の共同研究提案に対して資金援助するマッチングファンド型共同研究を推進するためで、光学赤外線望遠鏡の高性能化などを実施する予定。

 電気通信大学によると、マッチングファンド型共同研究は両機関の研究者同士で立ち上げた研究チームに対し、競争的資金を獲得する前の段階で両機関が必要な費用を支援し、共同研究をスタートさせる仕組み。支援額は共同研究1件当たり最大500万円程度で、1年間に数件の採択を予定している。

 実施予定の研究としては、細胞の分化や発生、がん化の仕組みを解明する応力3Dイメージング技術の開発、光学赤外線望遠鏡「すばる」の高性能化、電波望遠鏡「アルマ」の高性能化を挙げている。

 両機関は2020年、連携推進協定を締結していたが、これを延長する協定を再締結した。両機関で共同研究を進めるうちに、国立天文台が持つ技術が天文学だけでなく、次世代高速・大容量通信網や医学・薬学分野のイメージング技術開発に利用可能なことが分かってきたためで、マッチングファンド型共同研究を通じて異分野連携の共同研究をさらに深化させる。

参考:【電気通信大学】電気通信大学と国立天文台が包括協定を再締結し、異分野連携を強力に推進することを目的とした新たなマッチングファンド型共同研究事業を創設します。(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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