室蘭工業大学(北海道室蘭市)では、2025年度入学者選抜から、総合型選抜(昼間コース)において、女子を対象とする「女子枠」を創設する。
室蘭工業大学は、130年以上の歴史を持つ、鉄のまち・室蘭にある国立の工科系単科大学。1887年の札幌農学校工学科から始まり、1949年に室蘭工業大学が開校。幅広く理工学系人材を育成しており、近年はJAXA・重工メーカーや大樹町のインターステラテクノロジズ社、他大学との共同研究が盛んな「航空宇宙機システム研究センター」や、希土類の有効利用に関する研究を進める国内唯一の研究組織「希土類材料研究センター」など、独自の取組みが注目を集めている。
さらに、同大学には女性教員のなかで最年少で教授となり、国内外で高い評価を得ているコンピュータ科学センターの太田香教授など、女性教員も活躍している。
今回の女子枠創設は、女子入学者の割合が全体の約11~16%という同大学が理工系に関心のある女子を積極的に受け入れて学修環境をより多様化させるために実施するもので、多様な人と協働し、地域社会や国際社会の発展に貢献する能力を育み、社会で活躍できる女性技術者や研究者の輩出を目指す。
実施するのは2025年度の総合型選抜(2024年度実施)で、創造工学科で9人、システム理化学科で6人を入学定員とする。この選抜では、基礎的な学力の評価に加えて、面接を実施。各学科の多様な視点から「ダイバーシティに対する理解度」や「ダイバーシティ推進に向かう姿勢や意欲」を重視して評価する。なお、女子枠に応募した学生は一般枠との併願も可能。
なお、同じ北海道の国立工業大学である北見工業大学(北海道北見市)では2024年度入試から総合型選抜コース確定枠において女子枠を設置している。