2024年6月26日、文部科学省は、第2回大学・高専機能強化支援事業(成長分野をけん引する大学・高専の機能強化に向けた基金)として国公私立大学85校、高専11校の支援を発表した。
本事業では、成長分野への学部転換等の改革に予見可能性をもって踏み切れるよう、機動的かつ継続的な支援を行う2つの支援があり、支援1は公私立大学が対象、支援2は国公私立大学・高専対象になっている。公私立大学は、2つの支援の両方が対象になるが、両方に選定されたのは、金沢工業大学の1校のみだった。
私立・公立大学の理工農分野の学部・学科について、学部再編等に必要な経費20億円程度までを定率補助し、原則8年以内、最長10年支援する「学部再編等による特定成長分野(デジタル・グリーン等)への転換等(支援1)」には、公立大学4校、私立大学55校が選定。
選定された大学の「改組後の学部・学科名」の中には、成長分野である「デジタル」「グリーン」を両方使用している学部学科は、5つあった。第1回公募選定結果では、共愛学園前橋国際大学 デジタル・グリーン学部デジタル・グリーン学科のみだったが、増加している。また、「データサイエンス」を使用している学部学科は6つあり、2017年4月に滋賀大学がデータサイエンス学部を新設して以来、毎年増え続けている。
<「デジタル」「グリーン」を両方使用している学部学科>
大正大学 情報科学部グリーンデジタル情報学科
白梅学園大学 子ども学部デジタル・グリーン子ども学科
三条市立大学 工学部グリーン・デジタル学科
新潟薬科大学 応用生命科学部グリーン・デジタル学科
長崎総合科学大学 先端グリーン・デジタル理工学部
<「データサイエンス」を使用している学部学科>
文京学院大学 ヒューマン・データサイエンス学部ヒューマン・データサイエンス学科
昭和女子大学 総合情報科学部データサイエンス学科
津田塾大学 国際数理データサイエンス学部国際数理データサイエンス学科
帝京大学 理工学部データサイエンス学科
新潟医療福祉大学 医療情報経営学部健康データサイエンス学科
九州栄養福祉大学 食物栄養学部食環境データサイエンス学科
情報系分野の国公私立の大学・高専(大学院段階の取組を必須)に、大学の学部・研究科の定員増等に伴う体制強化、高専の学科・コースの新設・拡充に必要な経費定額補助を10億円程度まで(ハイレベル枠は20億円程度まで)最長10年支援する「高度情報専門人材の確保に向けた機能強化(支援2)」には、国立大学17校、公立大学4校、私立大学5校、高専11校、ハイレベル枠1校、計38校が選定された。
経費定額補助20億円程度までとなっている「ハイレベル枠」は、計画では5件程度のところ、第1回で7大学(北海道大学、筑波大学、滋賀大学、神戸大学、広島大学、九州大学、熊本大学)が選定。今回は、京都大学のみが選定されている。
また、支援2に私立大学で選定されたのは、第1回では、北里大学、工学院大学、順天堂大学、東京都市大学、久留米工業大学の5大学。今回は、東海大学、明治大学、金沢工業大学、名城大学、京都産業大学の5大学だった。
参考:【大学改革支援・学位授与機構】「大学・高専機能強化支援事業」の令和6年度公募選定結果を掲載しました。
【文部科学省】成長分野をけん引する大学・高専の機能強化に向けた基金による継続的支援