「自然エネルギー100%大学」を目指す千葉商科大学は、目標のひとつに掲げている「総消費エネルギー(電気+ガス)に関する100%」の自然エネルギー率※1について、2024年3月末時点で95.9%とわずかに未達で終わったことを報告。2024年度、100%達成を目指して再度挑戦する。

 千葉商科大学が目指す「自然エネルギー100%大学」とは、電気とガスを含めたキャンパスの総エネルギー消費量に相当する再生可能エネルギーを発電するというもの。達成に向けて、環境目標1「電気、すなわち消費電力に関する100%(RE100大学)」と環境目標2「総消費エネルギー(電気+ガス)に関する100%」という2つの目標を掲げ、2017年11月からこの取組みをスタートさせた。

 環境目標1「電気、すなわち消費電力に関する100%(RE100大学)」は2019年1月末に100%を達成し、2024年3月末は120.2%とさらに成績を伸ばしたものの、2024年3月末の達成を目指していた環境目標2「総消費エネルギー(電気+ガス)に関する100%」の達成状況は、95.9%(2023年4月~2024年3月)。メガソーラー野田発電所においてケーブル損壊被害(盗難)が3回発生したことで発電量が低下し、自然エネルギー率は、推定でマイナス約4.2%となった。

 千葉商科大学は自然エネルギー100%達成に向けて再挑戦するにあたり、メガソーラー野田発電所の防犯対策を強化したほか、効率的な発電をめざして今後も定期メンテナンスを継続して行う予定。さらに2024年4月に竣工した大木戸ソーラー発電所※2が6月20日から送電を開始しており、大きな後押しとなることが期待される。

 千葉商科大学は、ケーブル盗難という新たな社会問題に直面しつつも、さらなる再生可能エネルギーの創出や既存設備の効率的な運用などを通じて、今後も引き続き、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいく。

<千葉商科大学「自然エネルギー100%大学」への主な取り組み>
・2014年4月 メガソーラー野田発電所で「太陽光発電事業」を開始。
・2014年9月 政策情報学部教授らの研究グループが「自然エネルギー100%大学」をめざすことを発表。
・2017年11月 自然エネルギー100%大学に向けた環境目標を大学として宣言。 
・2018年3月 メガソーラー野田発電所の太陽光パネルを増設、市川キャンパスの全照明をLED化、 EMS(エネルギーマネジメントシステム)を導入。
・2019年1月 環境目標1「電気、すなわち消費電力に関する100%(RE100大学)」を達成。
・2019年2月 市川キャンパス内の10棟屋上に太陽光パネルを増設し、全量自家消費をする。
・2019年8月 電力調達も再エネ100%を導入。メガソーラー野田発電を主な調達先発電所として指定。
・2020年6月 環境目標2「総消費エネルギー(電気+ガス)に関する100%」を達成。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響を一部の期間で受けて達成したため、 目標時期を2021年3月末から2024年3月末に再設定。
・2024年4月 千葉商科大学大木戸ソーラー発電所を竣工。 想定発電量 約11万kWh(年間)

※1 自然エネルギー率は、創出エネルギー量を消費エネルギー(電気+ガス)量で割った値(小数点第二位以下切り捨て)

※2 千葉商科大学では初めてのオフサイトコーポレートPPAを活用した営農型太陽光発電設備。千葉市緑区に設置。

参考:【千葉商科大学】「自然エネルギー100%大学」をめざす取り組み 環境目標2「電気+ガス」は2024年度達成に向け再挑戦!(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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