半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は2025年から、国立の雲林科技大学内に台湾と日本の半導体産業で活躍する高度な専門人材を育成することを目指す「日本人コース」を設立する。日本の高校と高専・短大の卒業生が参加する4年間のプログラムと、大学生向け中長期プログラムが用意されており、半導体メーカーでの実務に欠かせない計測工学などの単位を修めるプログラムとなる。この「日本人コース」説明会は、2024年9月27日(金)12時から福岡工業大学で実施される。

 半導体産業への就職を目指す日本人学生にとってはTSMC入社への近道になる可能性はもちろん、半導体産業のフィールドで活躍できる確かな力を養うチャンスを得ることにつながる。TSMCから出資を受けて設立されているため、参加学生の授業料は無料。毎月の生活補助金もあり。プログラム卒業生は全員TSMCの入社試験を受験することになるが、不合格の場合でも生活補助金返還の必要はない。

 「日本人コース」は、3種類。①機械、工業及びマネジメントを学んだ高校卒業者を対象としたコース、②機械系学科を卒業した高専または短大卒業者を対象としたコース、③全学部の大学生対象とした中長期留学コース。なお、福岡工業大学と附属城東高校には、このプログラムに優先枠が割り振られる。

 国立の雲林科技大学は、台湾の雲林県斗六市にある大学で、工学部や管理学部など5つの学部を設置し、学生数は約1万人。1991年に設立された新しい大学だが、2024年の世界大学ランキング(THE:タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)では、台湾の全大学の中で7位になるなど、革新的な教育プログラムと産学協力の分野で高い評価を受けている。

 説明会募集を協力する福岡工業大学では、台湾で初の「半導体学部」を設置した明新科技大学と連携して教育プログラムを構築する「半導体の専門コース」を工学部の中に設立することを目指している。台湾企業でのインターンシップなどを含む新しい半導体産業に関わる人材の教育カリキュラムの構築などを進めている。

参考:【福岡工業大学】台湾雲林科技大×福工大、TSMC設立の「日本人プログラム」募集協力開始

大学ジャーナルオンライン編集部

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