生徒が主体性を持って取り組んできた活動を記録した「キャリア・パスポート」の大学入試活用を目指す文部科学省は、東京都内で調査研究協力者会議を開き、委員から提出があった様式私案について意見を交換した。

 文科省によると、私案ではキャリア・パスポートに児童生徒が小学校入学から高校卒業までに体験した学年行事や職場体験、児童生徒自身の感想、自己評価を記入し、教師、学校間で引き継ぐ。様式は文科省が例示するものの、都道府県教育委員会や学校などが名称や内容をカスタマイズして導入することを前提とした。

 キャリア・パスポートは生徒が主体性を持って取り組んできた学びを記録したポートフォリオで、文科省はこれを基に大学入試で学力3要素のうち「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の評価に活用したい考え。

 高大接続ポータルサイトの「Eポートフォリオ」には、金沢大学、横浜市立大学、同志社大学など全国111の大学、短期大学が参画している。2019年度入試では群馬大学や大阪教育大学、立命館大学などが推薦、AO入試などで活用しているほか、東京医科歯科大学、島根大学、中京大学などは合否に影響しないが、今後の入試改革に向けた参考として利用している。

参考:【文部科学省】「キャリア・パスポート」導入に向けた調査研究協力者会議(第3回) 配付資料

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。