国立大学の教育国際化に向けて外国人留学生など5項目の目標を定めている国立大学協会が達成状況を調べたところ、目標の2000年を前に派遣留学生と英語での授業実施科目の2項目で目標数値を超えていることが分かった。

 国大協は2013年、教育の国際化に向け、外国人留学生、日本人の派遣留学生、外国人教員、英語での授業実施科目、国際化の数値目標設定で2020年の目標値を定めている。調査はこの進展状況を確認するために実施されたもので、2018年10~12月に全国86の国立大学に調査票を送って全校から回答を得た。

 それによると、日本人の派遣留学生は2020年に学部、大学院を合わせて総学生数の5%にする目標を立ているが、2017年度中に2万9,757人に達し、目標を上回る5.3%を記録した。内訳は学部学生2万233人、大学院生9,524人。1年以上の長期留学生が774人、1年未満の短期留学生が2万8,983人いた。

 英語での授業実施科目は2012年の学部3,711科目、大学院8,068科目から倍増の学部7,422科目、大学院1万6,136科目を目指しているが、学部が2018年に7,774科目に達し、目標を突破した。2018年の大学院は2万4,630科目で、2017年段階で目標を上回っていた。
外国人留学生は2018年11月現在で学部、大学院合わせて4万7,020人で、総学生数に占める割合が7.7%。毎年徐々に増加しているものの、目標の10%を達成するにはもうひと押しが必要な状況。外国人教員は2018年5月現在2,971人で、総教員数の4.6%を占めている。毎年微増を続けてきたが、目標の6.4%に届いていない。

 国際化に向けた数値目標設定は、外国人留学生86校、日本人の派遣留学生74校、外国人教員56校の目標に対し、2018年は外国人留学生59校、日本人の派遣留学生60校、外国人教員33校となっていた。

参考:【国立大学協会】「国立大学における教育の国際化の更なる推進について」第6回フォローアップ調査結果

大学ジャーナルオンライン編集部

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