2024年10月26日、27日、芝浦工業大学が主催する「高校化学グランドコンテスト2024」の最終選考会が豊洲キャンパス(東京都江東区)で開催され、広尾学園高等学校の「ホウ素ケージド技術による細胞機能の光制御」が1位の文部科学大臣賞に輝いた。また、同校は特別協賛企業賞(第一三共賞)とのW受賞となった。

 高校化学グランドコンテストとは、高校生および高等専門学校生(3年生以下)による自主的な「学習研究活動」を支援するもので、大学が主催し、大学教員が研究活動を支援する数少ない「化学に特化」した高校生教育支援プログラム。

 一次選考を通過したチームは、手厚い交通宿泊支援のもと、仲間とともに互いの研究について議論する中で学びを深める。上位3チームは海外の国際イベントに招待(海外渡航費支援)され、入賞者は書籍「高校生・化学宣言」に体験記を掲載するなど、魅力的な特典が多数ある。

 2024年度は第一次審査を通過した全国の高校生99チーム(302名)と海外から招へいした3チーム(11名)が研究の成果を発表し、2日間合計で延べ800人以上が来場した。

 最終審査結果は以下のとおり。グランドアワードを受賞した3チームには、芝浦工業大学が海外国際フォーラム※への参加を支援する。

<グランドアワード> 賞状、盾、海外旅費・国際フォーラム参加費 「高校生・化学宣言」掲載
・文部科学大臣賞 
 広尾学園高等学校
 「ホウ素ケージド技術による細胞機能の光制御」

・化学未来賞 
 長野県飯山高等学校 自然科学部MBR班
 「二酸化炭素吸収ボールMBRの開発」

・化学技術賞 
 宮城県仙台第三高等学校 自然科学部化学班
 「水酸化鉄(Ⅲ)コロイド生成におけるガラス着色の研究」

<アワード> 賞状、「高校生・化学宣言」掲載
・審査委員長賞 
 静岡県立清水東高等学校 自然科学部化学班「疑似濃淡電池の反応機構の解明」

・審査委員特別賞 
 福島県立会津学鳳高等学校 SSH探求部「アラニナト銅水溶液中に生じた赤色薄膜の物質同定と生成過程の解明」

・口頭発表金賞
●静岡北高等学校 科学部水質班、●長野県諏訪清陵高等学校 化学部、●滋賀県立虎姫高等学校 究理ⅡS化学ゼミ、●愛媛県立西条高等学校 科学部、●奈良県立西和清陵高等学校 サイエンスチーム

・ポスター賞
●安田学園高等学校 サイエンスクラブ、●熊本県立熊本北高校 自然科学部化学分野、●金沢大学人間社会学域学校教育学類附属高等学校、●福島県立福島高等学校 SSH部、●富山県立富山中部高等学校 スーパーサイエンス部、●大阪桐蔭高等学校 理科研究部、●市立札幌開成中等教育学校 コズモサイエンス4班、●岡山県立岡山朝日高等学校 化学部、●愛媛県立西条高等学校 科学部、●愛媛県立三島高等学校 ケン化組

<特別協賛企業賞> 賞状、盾、副賞20万円
・第一三共賞
 広尾学園高等学校「ホウ素ケージド技術による細胞機能の光制御」

・NAGASE賞
 奈良県立西和清陵高等学校 サイエンスチーム「ウグイスの粉を使ったフラーレン水分散液の調製」

・DICーColor and Comfortー賞
 宮城県仙台第三高等学校(宮城県)自然科学部化学班「水酸化鉄(Ⅲ)コロイド生成におけるガラス着色の研究」

・日本ゼオン・チャレンジ賞
 長野県飯山高等学校 自然科学部MBR班「二酸化炭素吸収ボールMBRの開発」

・IHI賞
 静岡北高等学校 科学部水質班「暑い!そうだ、CO2をあつめよう」

・資生堂賞
 愛媛県立西条高等学校 科学部「Na2CO3を用いた輝安鉱(Sb2S3)の水熱合成 ~市之川産輝安鉱の謎を探る~」

※シンガポールで実施されるサイエンスフェア「17th International Science Youth Forum @Singapore 2025 (ISYF)」、台湾で実施されるサイエンスフェア「Taiwan International Science Fair (TISF 2025)」

参考:【芝浦工業大学】高校化学グランドコンテスト2024 文部科学大臣賞は「ホウ素ケージド技術による細胞機能の光制御」広尾学園高等学校(東京都)秋庭琉衣さんが受賞

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