2024年10月31日、山形大学は、2026年度より「地域教育文化学部」を、教員養成に特化した「教育学部」に改組する構想を発表した。2005年度に「教育学部」から「地域教育文化学部」へ改組しているが、21年ぶりに元に戻すことになる。今後の地域の社会経済等を担う人材を育成できる教員の養成、当面の間の高い教員需要への対応、子供の多様な課題に対応できる教員の養成などの狙いがある。
現在の「地域教育文化学部」は、児童教育コースと文化創生コースに分かれ、2024年度入学定員は175名。社会共創デジタル学環の新設により、2025年度から入学定員は165名となる。2026年度からの「教育学部」は、学校教育教員養成課程と地域教育共創課程に分かれ、入学定員は165名と変わらない予定。
2021年度時点で、国立の教員養成大学・学部がないのは、山形県、福島県、富山県、鳥取県の4県。富山大学は2022年度より金沢大学との共同教員養成課程を設置しており、山形大学は今回の発表で2026年度に教育学部が復活、福島大学は2024年10月9日、人間発達文化学類を2027年度から教育学部へ改組する構想を発表している。鳥取大学も教育学部の再設置に向けて県との協議を進めている。
教員不足が叫ばれる中、国立大学では、山形大学のように教育学部への改組の動きに加えて、入試で地域枠を新設する動き、少子化を見据えて共同教員養成課程を設置する動き、教員養成課程の入学定員を減らして教員就職率の向上を狙う動きなどが出ている。
参考:【山形大学】山形大学における新たな教育学部の構想 ~地域のイノベーション人材を育てられる教員の養成~
【福島大学】「福島大学グランドデザイン2040」を策定(PDF)
【鳥取県】国の施策等に関する 提案・要望書 (令和6年7月) (PDF)