2027年4月、藤田医科大学(愛知県豊明市)は、医療科学部に医工共創学科、大学院に医工学社会共創研究科を同時に新設する(設置構想中)。入学定員は30名。学部から大学院修士課程までの6年一貫プログラムを通じて医学と工学が交わる新たな医療の価値を創造し、産業界・経済界と一体となって、人々の社会参画を支える医療技術創造をリードできる人材を育成する。
藤田医科大学によると、この6年一貫の研究・人材育成プログラムでは、課題解決型学習 PBL(Project-Based Learning)や企業持ち込み型実務型教員事例研究講義によって、社会とともに未来医療を共創する人材を育成する。また、世界視野で医療展開できる人材を育成するため、MOUを締結している大学間での研究連携、企業における海外インターンシップ制度、産学連携に基づく実務型教員による実践的な社会実装教育を充実させる。日本のものづくりの集積地として知られる中部圏において、社会共創医工学の実践研究の場である藤田医科大学研究センター群とともに、社会の要請に応える「世界最先端の工学技術を医療分野に展開できる人材」を育成する。
医工連携分野の学科新設では、2025年4月に開設された神戸大学医学部 医療創成工学科がある。2023年4月に新設された大学院医学研究科の医療創成工学専攻との一貫教育で、医療機関開発を主導する創造的開発人材を育成する。1期目となる2025年度入試では一般選抜の前期日程のみ25名で募集したところ、志願者113名、倍率4.5倍の人気となっている。
理工系分野では6年一貫プログラムが多くの大学で行われており、実際に同じ大学の大学院に進学する学生も多い。
学校基本調査によると、学士課程修了者の2024年4月における進学率(※)は、理学系で46.1%、工学系で39.8%。国立大学の理学系63.8%、工学系69.3%、公立大学の理学系62.5%、工学系41.3%、私立大学の理学系32.4%、工学系23.8%となっている。理工系における大学院進学率は上昇傾向が見られている。
※学士課程修了者のうち進学者(大学院研究科、大学学部、短期大学本科、大学・短期大学の専攻科、別科へ入学した者)の割合。進学者は、進学しかつ就職した者を含んでいる。進学者の内訳としては大学院研究科への進学者がほとんどになるため、大学院進学率の参考数値となっている。