日本私立大学連盟は大学設置の認可事業や競争的資金と呼ばれる補助金事業の受給要件となっている入学定員超過率の撤廃を求める意見をまとめた。大学入試改革など私立大学を取り巻く環境が大きく変化する時代だけに、定員管理を学部ごとでなく、大学単位で進めることも求めている。

 私大連によると、意見は前早稲田大学総長の鎌田薫私大連会長名で文書にした。中央教育審議会が文理横断の学位プログラムを提唱するなど新しい時代に適合した教育システム、教育内容が求められる今、時代に合わせた学部などの再編を可能にする抜本的な大学設置基準の見直しが必要と主張している。

 私立大学に対しては2016年度以降、地方創生や教育、研究にふさわしい環境確保の名目で定員管理の厳格化が進められているが、規制強化で「入学しにくいが、卒業しやすい」という日本の大学の欠点を維持、拡大させる懸念があるとした。

 そのうえで、認可事業や補助金事業の受給要件となる入学定員超過率の撤廃を求めるとともに、定員管理を入学定員から収容定員に着目した基準に切り替え、学部単位の入学定員から大学全体の収容定員で判断するよう求めている。

参考:【日本私立大学連盟】定員管理に関する意見-多様で柔軟な教育プログラムを推進する合理的な定員管理-(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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