金沢工業大学大学院工学研究科の博士前期課程1年の沖沙矢佳さん(神宮英夫研究室)は、クラシエホールディングス株式会社とクラシエフーズ株式会社と共同で、知育菓子®作製後も脳の活性化が持続することを明らかにした。

 子供が知育菓子®を作製している最中に、前頭前野が活性化するとの報告があるが、作製後も活性効果は持続するのだろうか。本疑問を明らかにするため、被験者として知育菓子を未経験または幼少時以降経験無しの学生10名が参加した。知的課題Iに10分間取り組んだ後、知育菓子を作製し、作製後、知的課題IIに10分間取り組む、という実験を行った。知的課題としては、300ピースのパズル5種類をランダムで使用した。作製する知育菓子は、色や形状が特徴の「知育菓子A」と、オリジナルの色を作る「知育菓子B」の2種類とし、被験者は日を置いて、「知育菓子A」、「知育菓子B」の両方の課題に取り組んだ。

 近赤外線が頭皮や頭蓋骨を透過することを利用して脳酸化ヘモグロビン(Hb)変化量を非侵襲で計測できるNIRS(近赤外線分光法)を用いた検討の結果、知育菓子Aによる脳の活性化は、知的課題I≒知的課題IIであったのに対して、知育菓子Bは知的課題I<知的課題IIとなり、知育菓子Bのほうが作製後も前頭前野が活性化し、集中力が上がっていることが確認された。  

 今後、そのようなタイプの知育菓子は、知育菓子の新たな遊び方として注目を集めることが期待される。

参考:【金沢工業大学】大人もなぜか夢中になる知育菓子® 作成後も脳の活性化が持続することが判明 。神宮研究室の沖沙矢佳さんがクラシエとの共同研究で

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