平成25年7月、北海道むかわ町穂別に分布する上部白亜系函淵層の海成層から、13個の尾椎骨化石が発見された。その後の発掘で、この恐竜化石は全身骨格であることが明らかとなり、通称「むかわ竜」と呼ばれるようになった。

 むかわ竜は、全身のおよそ 6 割の骨(頭骨・肩帯・前肢・胴椎骨・腰帯・大腿骨・尾椎骨)が揃っており、大型恐竜としてこれだけ骨が揃った全身骨格化石は本邦初。そして今回、北海道大学総合博物館の小林快次教授を中心とする研究グループは、むかわ竜について骨の比較研究、系統解析、組織学の研究を行い、むかわ竜が固有な特徴を持つ新属新種の恐竜である可能性が極めて高いことを明らかにした。

 骨化石を岩から取り出すクリーニング作業を終えてから、北海道大学、むかわ町穂別博物館、岡山理科大学、米国ペロー自然科学博物館、筑波大学、モンゴル古生物学地学研究所、東京学芸大学の共同研究によって作業が進められた。むかわ竜には、華奢で細い前あしや、背骨(胴椎骨)の上に伸びる突起(神経棘)が大きく前に傾いているなど、他の恐竜には見られない固有の特徴が多くみられ、比較研究の結果、親族新種の恐竜である可能性が極めて高くなった。系統解析を行ったところ、むかわ竜はハドロサウルス亜科のエドモントサウルス類(族)に属すことが判明し、さらにその中でも中国のライヤンゴサウルスとロシアのケルベロサウルスに近縁であることがわかった。

 後ろ足(脛骨)の骨内部の組織学分析からは、むかわ竜が9歳以上の成体であることがわかった。また、上腕骨と大腿骨の太さ(周囲長)から、体重が二足歩行の場合4トン、四足歩行の場合5.3トンと推定された。

参考:【むかわ町穂別博物館】むかわ町穂別産“むかわ竜”の分類・年齢・体重の解明(PDF)

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大学ジャーナルオンライン編集部

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