東京理科大の山本学教授は、2TB(テラバイト)容量のホログラムメモリー技術開発に世界で初めて成功しました。超大容量、省電力、長期保存、低運用コストを一気に実現した新技術で、5インチディスクでDVDの400倍となる2TBの記録再生も可能な実験機も試作しています。2020年の東京オリンピックを高精細映像で保存記録することを目標に、さらに開発を進めることにしています。

 発表によると、研究は産業技術総合開発機構のエネルギー・環境新技術先導プログラムの研究開発資金を活用し、三菱化学、ナノフォトニクス工学推進機構、大日本印刷との共同開発で進めました。山本教授は独自に開発した「3次元クロスシフト多重方式」と、小型で簡素な光学系、メカ機構を用いることで、保存記録の大容量化と高速再生を実現しました。

 3次元クロスシフト多重方式は、信号光と球面参照光を媒体の中で反応させて記録させるもので、膜厚を利用して、ホログラフの角度を変えてやることで、同一箇所にそれぞれ独立したホログラフを多重に記録させることが可能となります。

 同時にホログラムメモリー用レンズや情報の入出力信号処理技術、記録再生シミュレーション技術も開発。これらを組み合わせ、2TBの記録再生ができる実験機を試作しました。今後、パートナー企業、団体とともに実験機の改良を重ね、3年後を目標として新製品を投入したい考えです。ホログラムメモリーが、超大容量、長期保存性を持つと同時に、低消費電力でもあることから、莫大な情報を保管する放送局やデータセンターでの情報アーカイブ用に期待できるとしています。
※テラバイト 10の12乗バイト。通常のDVDは0.005バイト。

出典:【東京理科大学】世界初、情報アーカイブに適した2テラバイト容量のホログラムメモリーの技術開発に成功(PDF)

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