麻布大学は、長野県小諸市が生産したニホンジカ肉を原料とするペットフード「KOMORO PREMIUM」の開発・販売事業の支援を強化する。野生ニホンジカの資源化と有効利用によって、野生動物と人間が共生できる社会のシステム構築を目指す考え。

 鹿肉は「高タンパク」・「低脂肪」・「鉄分豊富」の三拍子そろった食材として注目されており、鹿肉ペットフードはドライフード、ジャーキー、ウエットフードなど商品化され、愛犬・愛猫家から「食欲が高まる」など評価が高い。

 長野県小諸市では野生ニホンジカによる生態系および農産物の被害増加に対し、市内に衛生管理の行き届いた加工施設「小諸市野生鳥獣商品化施設」を整備し、捕獲したニホンジカを新鮮な状態で加工し、良質な鹿肉ペットフードを「KOMORO PREMIUM」*として開発、製造している。小諸市のこうした野生動物マネジメントは先進的な取り組みとして、平成28年度鳥獣対策優良活動表彰(団体の部)により、農林水産大臣賞を受賞している。

 麻布大学獣医学部は動物科学の専門家として、小諸市産鹿肉ペットフードを研究面から支援し、野生動物マネジメントとペットフードの高付加価値化に協力してきた。今後、ペットフードの新商品開発や、有用菌がイヌの健康維持に関わる研究、 さらには野生鳥獣対策に関与する人材育成などでの協力を拡大していく予定だという。

参考:【麻布大学】麻布大学、小諸市産鹿肉ペットフードで研究協力 野生動物マネジメントとペットフードサイクル構築で地域振興を支援(PDF)

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麻布大学のルーツは、明治23年(1890年)、與倉東隆によって東京の麻布(現 港区南麻布)に開設された「東京獣医講習所」にさかのぼります。1950年に麻布獣医科大学として開学、1980年に麻布大学に改称。麻布大学では建学の精神「学理の討究と誠実なる実践」のもと[…]

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