近年、バレーボールの表面形状が変化し、様々な凹凸をつけたものが使用されるようになっている。しかし、その空力特性に関する研究はほとんど行われていなかった。筑波大学体育系の洪性賛助教と浅井武教授らの研究グループは今回、バレーボールの表面形状により、ボールに働く空力特性が変わることを明らかにした。

 典型的なバレーボールは、長方形パネル3枚のセクションが1面になり、総6面(パネル18枚)で構成されている。本研究では、こうした従来のバレーボールと、2016年バレーボール欧州チャンピオンズリーグの公式球である表面にディンプル形の凸凹を配置したボール、2016年USA Volleyballリーグの公式球である表面に六角形の凸凹を配置したボールを用いて、飛翔特性と空力特性を検討した。

 その結果、表面形状によって、ボールに加わる抗力には違いがあった。特に、18枚の従来タイプでは、ボールの飛翔向きによって、レイノルズ数の増加(レイノルズ数が大きいほど、流れは乱流になる)に伴う抗力に大きな差が見られた。バレーボールで使用する様々なサーブの速度(50~80km/h)を考慮すると、同一のボールでも、その飛翔向きによって飛距離が変わると考えられるという。また、ヒッティングロボットテストでは、ボールの飛翔向きを変えると飛翔軌道が大きく変化すること(異方性)もわかった。

 一方、新デザインのバレーボールでは、ボールの飛翔向きによる抗力変化は比較的小さく、ボールの向きに関わらず、飛距離が安定する傾向が見られた。ヒッティングロボットテストでも、従来タイプに比べ比較的安定した飛翔軌道(等方性)が観察された。

 以上から、ボールの表面形状を変えることで、飛翔軌道が改善できることがわかった。この知見は、今後のボールの研究・開発やデザインに活用できるものと期待される。

論文情報:【Applied Sciences】Surface patterns for drag modification in volleyballs

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