工学院大学は、災害時に通信と発電を担う車両ユニット(D-ZEV)を開発した。

 新宿駅西口地域にキャンパスを構える工学院大学は、災害の際、西口現地本部となり、地域の混乱防止と応急活動を支援する役割を担う。また、東日本大震災時に帰宅困難者を安全に多数収容した実績や、駅周辺が混乱したことなどを基に、様々な課題解決を「エリア防災」の視点から新宿駅周辺防災対策協議会と共に地域全体で取り組んでいる。

 その「エリア防災」研究の一環として、災害時の混乱を防ぐことを目的に開発したのが、災害時に通信と発電を担う自立移動式ゼロエネルギーユニット(D-ZEV)。太陽光発電とWi-Fiを活用し、発災直後に電力が途絶えた際も情報発信できる。

 2019年10月12日に大田区で予定されていた「ソラムナード羽田緑地で羽休み♪」で実演予定だったが、荒天のためイベントは中止となっている。予定では、送受信端末を搭載した自転車2台が天空橋駅周辺を二手に分かれて走行。住宅地内で被害(けが人、建物倒壊、道路寸断等)を想定した撮影を行い、2台が接近した際は自動で情報を共有。共有データは、イベント会場のワンボックスカーに送信され、車両搭載モニタに投影・共有させると発表されていた。

 工学院大学の「エリア防災」の取り組みは、2016年の文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」採択を受けてさらに加速。建築学部と情報学部の専門性を生かした地域連携防災訓練の新しい取組みや災害時の支援機器開発は、2020年3月の完成に向けて改良が続けられている。

参考:【工学院大学】工学院大学、災害後の停電中でも情報送受信可能なユニットを開発、10月12日に実演

工学院大学

伝承を継承しつつ、さらなる進化を続ける大学

2011年の日本初の「建築学部」開設を皮切りに、2015年「先進工学部」創設、2016年「情報学部が従来の2学科体制から4学科体制に、そして、2017年4月には伝統の工学部に「電気電子工学科※」誕生と、常に時代に即した改革を続けています。さらに、八王子キャンパ[…]

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