文京学院大学外国語学部渡部ゼミの学生は、オキアミの未利用資源としての有用性を実証し、食用として認知向上させるため、飲食店でのメニュー化を実施した。
外国語学部の渡部吉昭准教授が指導する渡部ゼミの3年生7名は、「食糧危機」問題を解決するための研究を行った。新たな未利用資源として昆虫やクロレラ等を比較・検討した際、未利用資源には「1.資源量が豊富である」、「2.安価である」、「3.栄養価が高い」という3つの条件が必要であると考えた。そこで、これらの条件を満たし、かつ海洋国家日本らしい海洋資源「オキアミ」に着目した。
釣りエサとして知られるオキアミは、資源量が多く、各国でも食用化の研究が進んでいる。栄養価も高く、オメガ3系脂肪酸を含み、オキアミから抽出されるクリルオイルはサプリメントなどにも使用されるほか、抗酸化作用もあり、アンチエイジングや疲労回復にも役立つとされている。
そこで、オキアミの有用性を実証し認知向上を図るため、期間限定で文京区の「日本酒バル&カフェ 坂ノ下ノオリゼ 根津」、イタリアンレストラン「Ciao!! centro」、「ベトナムBistro Vang field」、「表参道生春巻倶楽部」、4店舗の協力を得て、オキアミのオリジナルメニューを提供することにした。
「坂ノ下ノオリゼ 根津」では、いも餅とオキアミの香ばしさを楽しむ「オキアミ×いも餅」と「オキアミ×焼きビーフン」の2品、「Ciao!! centro」では、オキアミをたっぷり盛った「パワーサラダ」、「ベトナムBistro Vang field」は「パップサオ」、「表参道生春巻倶楽部」は「麻婆豆腐ライス」を提供。「麻婆豆腐ライス」は提供期間後も継続的なメニューになっているほか、「パワーサラダ」は6日間で11皿の注文があるなど好評だったため、店側でメニューの継続化を検討しているという。
学生たちは今後、オキアミ加工会社をはじめとする関係各者へのヒアリングやアンケート調査を通してさらにオキアミの可能性を探り、また、ゼミ活動を通して、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」から成る「社会人基礎力」の向上を図っていく。