2019年11月13日、日本英語検定協会は、予約を受け付けていた「S-CBT」について今後の対応を一部発表した。
萩生田文部科学大臣の英語民間試験活用の延期が発表された11月1日の段階で、2020年度第1回検定の予約申込者数は29万4534人。その後も11月11日の締切日まで予約申込があったという。返金を希望する受験者からは「国の方針として延期発表したのだから返金に際して実費手数料を差し引くのは撤回し、3000円をそのまま返金してほしい」という声が同協会に寄せられた。一方、多くの高校生から「すえに受験準備を進めている状況で、これからどうしたらいいのかわからない。大学入試英語成績提供システムを利用しない私立大学でもS-CBTは採用されているのでこのまま実施してほしい」と嘆願があったという。
これらの意見や延期発表後の状況と外部環境を鑑み、S-CBTについて出した結論は以下のとおり。
①大学入試英語成績提供システムに基づいた制度設計を全面的に見直し、受験対象を受験生に限定せず、幅広い世代が活用できる網羅的な試験として再設計する。ただし、入試に対応できる高セキュリティな実施運営はそのままとする。
②受験機会の拡大を目指し、常時開催を目指す。2020年度からの実施を目指し、具体的概要は決まり次第速やかに公表する。
一方、すでに予約申込をしていた約30万人の受験者に対しては、キャンセルせず受験を希望する場合、特別価格を設定する。3級を除き、従来型の英検検定料より安価に受験できる。会場は全国101エリア(予定)に設置し、予約申込者の2割増のキャパシティで対応する。実施日は精査中。
予約金3000円の返金を希望する場合は公表できる段階になく、文科省と協議が終わり、対応が決まり次第発表する。
予約申込者は、大学入試英語提供システムの採用を公表していた大学が11月29日に今後の対応を公表することに合わせて、11月27日~12月20日(予定)に申込・キャンセルいずれかの手続きを行うことになる。日本英語検定協会は、受付期間の開始前にはウェブサイトに情報を発表できるようにするとしている。