大学入学共通テストへの英語民間試験導入が延期された問題で、大学入試センターは大学入学共通テストの英語試験について2019年6月に示した方針のまま、「読む」「聞く」の2技能を測る問題をマークシート方式で出題することを明らかにした。配点もリーディング、リスニング各100点で変わらない。

 大学入試センターによると、6月に示した方針では「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を測る民間試験導入を前提に、発音やアクセント、語句整序などを問う設問を大学入学共通テストで出さず、配点をセンター試験の筆記200点、リスニング50点からリーディング、リスニング各100点に変更するとしていた。

 今回の決定は英語民間試験の延期が決まっても、6月の方針通りに出題するとしたもので、発音やアクセントなどの問題を出さない。大学入試センターはその理由について大学入学共通テストのスタートを機に英語教育の改善を図る趣旨に沿い、高校学習指導要領を踏まえた方針であるためとしている。

 しかし、50万人規模の大学入学共通テストで「話す」などの技能を評価することが難しく、これから作問の変更を進めることが困難と判断したのが本音と見られる。

 萩生田光一文部科学相が英語民間試験の導入延期を発表したのを受け、大学入試センターは当面の対応を検討していた。

参考:【大学入試センター】大学入試英語成績提供システムの導入延期に伴う令和3年度大学入学者選抜大学入学共通テストの出題方法等について

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。