大阪府は大阪府立大学と大阪市立大学に2020年度から入学する学生に対し、府内に3年以上居住する年収590万円未満の世帯を対象に入学金と授業料を無償化する。国の支援に府の支援を上乗せして助成するもので、家庭の経済状態に関係なく高等教育を受けられるようにする。
大阪府によると、新制度では年収590万円未満の世帯が入学金と授業料が無償になるほか、年収590万円~800万円未満の世帯は子ども1人なら3分の1、2人なら3分の2支援し、3人以上なら無償とする。年収800万円~910万円未満の世帯は子ども1人なら支援がないが、2人なら3分の1、3人以上なら3分の2を助成する。
学生本人とその世帯の生計維持者が入学日の3年前から府内に住所を置いていることが条件で、2020年度以降に両大学、両大学大学院の修士課程、大阪市立大学法科大学院に入学した学生が対象。在校生や留学生は対象とならない。大阪府立大学高専本科生は入学生が4年生になる2023年度から実施される。出席率が著しく低かったり、成績が極端に悪かったりした場合は、支援を打ち切る。
両大学の授業料は年間約54万円。府内居住者の入学金は大阪府立大学が約28万円、大阪市立大学が約22万円。両大学は今後、統合する方針だが、大阪府は統合後も支援を継続するほか、学び直しをする社会人学生に対しても支援を拡大する方向で検討を進めている。