大阪府立大学と大阪市立大学が統合して2022年4月に開学予定の新大学の名称が、両大学を運営する公立大学法人大阪と大阪府、大阪市の最終協議で「大阪公立大学」に決まった。英語名は「University of Osaka」としたが、大阪大学は、この英語名について「海外等で大阪大学の名称として広く使用されている実態がある」として再考を申し入れている。

 大阪市立大学によると、最終協議には、西澤良記公立大学法人大阪理事長と吉村洋文大阪府知事、松井一郎大阪市長が大阪市役所で行い、新大学名称検討委員会が新名称案として挙げた「大阪公立大学」「公立大学大阪」「大阪総合大学」の3案から大阪公立大学を選んだ。

 西澤理事長は「12学域・学部、15研究科の多彩な学問領域を有する日本最大規模の公立大学になる。若い方々が生き生きと学べる大学にしたい」とコメントした。

 大阪府立大学と私立大学は2019年に運営法人を統合、内部に新大学名称検討委員会を設けて新名称案の検討を重ねていた。10月に文部科学省へ設置の認可を申請する。新大学の学部入学定員は約2,800人で、全国の国公立大学では3番目の規模になる。

 これに対し、大阪大学の西尾章治郎総長は新大学の英語名が大阪大学と似ていることを問題視し、「特に海外の研究者や学生に大きな混乱を招き、両大学の未来に非常に大きな障害となることは必至。双方の意見交換がないまま、決定されたことは非常に残念で、混乱を招かないよう配慮をお願いしたい」との声明をホームページで公開した。また、海外において「University of Osaka」が大阪大学(Osaka University)と同義で使われている実態を複数挙げ、再考を求めている。

参考:【大阪市立大学】新大学名称が決定し、会見を行いました
【大阪大学】「University of Osaka」が大阪大学の英語名称として使用されている実態

大学ジャーナルオンライン編集部

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