大学入学テストへの英語民間試験導入を文部科学省が延期する方針を打ち出したのを受け、国立大学の大半が2020年度の一般入試で英語民間試験を必須としない方針に転換した。国立大学協会が各国立大学の2次試験での対応状況をまとめたリンク集をホームページに公開した。

 国立大学協会のリンク集によると、学部入試を実施する国立大学82校のうち、80校が一般入試で英語民間試験を必須としないとした。80校のうち、千葉大学、広島大学、東京芸術大学など15校は全学部または一部の学部で任意提出を求め、成績に応じて考慮する方針を示しているが、京都大学、東京大学、お茶の水女子大学など残り65校は一般入試で全く活用しないことを決めた。

 英語民間試験での一定水準以上の成績を出願資格としたのは東京海洋大学だけ。東京学芸大学は未定としている。

 文科省が導入を延期する前は78校が英語民間試験利用の意向を明らかにし、多くが出願の際に成績提出を義務付けていたが、文科省の決定を受け、横並びで一気に方針を見直す形になった。国の成績提供システムを通じて英語民間試験の成績を受け取れなくなり、独自集計せざるを得なくなったことも影響したとみられる。

 文科省は公立や私立大学に12月13日までに対応を示すよう求めているが、公立、私立大学でも同様の動きが広がる公算が大きい。

参考:【国立大学協会】2020年度入試における英語民間試験への対応について(続報)

大学ジャーナルオンライン編集部

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