大学入学共通テストへの導入に反対の声が相次いでいた英語民間試験について、文部科学省は2020年度導入の延期を決め、萩生田光一文部科学相が謝罪のメッセージを発表した。2024年度に実施する入試で導入するとし、今後1年間かけて仕組みを抜本的に見直すとしている。

 文科省などによると、萩生田文科相は導入見送りの理由として英語民間試験を家庭の経済状況や居住する場所で不平等にならないようにするためにさらなる時間が必要なためとし、「約束を果たせなかったことは大変、申し訳ない」と謝罪した。メッセージの発表に先立ち、萩生田文科相は閣議後の記者会見で導入見送りを正式表明している。

 これに対し、導入延期法案を提出している立憲民主党、国民民主党、社民党、共産党などは国会内で緊急全議員総会を開き、共闘の成果を確認した。この中で立憲民主党の枝野幸男代表は「有権者が声を上げれば政治は動く」と述べた。

 一方、国立大学協会会長の永田恭介筑波大学学長は「(国大協として)公平性の担保を文科省にお願いしてきただけに、残念であるとともに驚きをもって受け止めている」との会長メッセージを発表した。

 英語民間試験は2020年度からの導入に向けて準備が進められていたが、実施半年前になっても民間試験実施側の日程、会場公表がそろわず、合否判定活用に使うかどうか決めていない大学が多いこともあって、受験生や高校に混乱が広がっていた。さらに、家庭の経済状態や居住する場所で不公平が是正されないとして、導入延期を求める声が相次いでいた。

参考:【文部科学省】大臣メッセージ(英語民間試験について)
【立憲民主党】英語民間試験の導入延期に「国民と野党での共闘が実になった」と安住国対委員長、野党緊急集会
【国立大学協会】英語民間試験活用のための「大学入試英語成績提供システム」導入の見送りについて 【会長コメント】(PDF)

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大学ジャーナルオンライン編集部

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