2019年11月27日、アジア圏内にある大学のパフォーマンス度をランキングにした、QSアジア大学ランキングの2020年度版が発表された。イギリスの大学評価機関・クアクアレリ・シモンズ社(QS)が11種類の独自の評価方法に基づいて上位550校を決定するもので、アンケート調査では、全世界の学術関係者と雇用者の130,000人以上の関係者から、大学の質に関するアンケートが寄せられた。
1位は2年連続でシンガポール国立大学(シンガポール)。続いて2019年度と順位が入れ替わり、2位に南洋理工大学(シンガポール)、3位に香港大学(香港)がランクインした。日本の最高位は東京大学で13位、続いて京都大学が15位、18位に東京工業大学と3校がトップ20に入ったが、東京大学は11位から13位に、京都大学は14位から15位に順位を落としている。
上位550校にランクインした大学数を国別にみると、1位が中国(118校)、2位がインド(101校)、3位が日本(87校)だった。日本はランクインしている大学数が多いが、2019年度よりも順位が上がったのは20校のみで、59校が順位を落としている。
順位が落ちた主な理由は、実施した研究がもたらす影響力を測定するCitation per Paper(論文あたりの被引用比率)と研究の生産性を測定するPaper per Faculty(教員あたりの論文発行数)の研究に関する指標の低下である。また研究資金の調達が停滞していることや、国内の読者向けに論文を執筆していることが、著作物が受ける正当な評価と研究の影響力を限定させているとみられる。
日本が今後、世界的な競争力を維持するためには、高等教育制度に持続的かつ十分な投資を行うことと、国際的な研究コミュニティにより深くより広範囲に積極的に参画していくことが必要である。
参考:【QS Quacquarelli Symonds and TopUniversities.com】The QS World University Rankings: Asia 2020