東北大学メディカル・メガバンク機構は東北地方で進めている3世代コホート調査の家系情報付き結果を全国の研究者へ提供を始める。158組の家族の家系情報、血液と尿の検査結果、生活情報、全ゲノム解析結果が含まれ、効率的な疾病の原因究明に役立ちそうだ。
東北大学によると、情報は2013年から東北大学メディカル・メガバンク機構が集めてきたもので、子どもから高齢者まで1,107人分に当たる。提供される情報に家系情報が入るのは国内で初めて。祖父母、父母、子の3世代を通じた健康調査結果と遺伝情報を組み合わせることにより、これまで困難を伴ってきた疾病の原因を効果的に探索することができる。次世代医療の実現に向けた個別化予防や医療の進歩にも期待が持てる。
情報は個人を特定できないように匿名化したうえで提供される。研究者は所定の手続きを済ませば、総合データベースを通じてさまざまな条件で検索し、閲覧できる。
3世代コホート調査は妊婦と生まれてきた子どもを中心に祖父母までさかのぼって健康調査結果と遺伝情報を調べており、2017年までに7万人以上が参加した。オランダで約16万人、英国で約4万人が参加したコホート調査があるが、出生から3世代以上のコホート調査としては東北地方の調査が世界最大だという。