九州大学病院精神科神経科の加藤隆弘講師と九州大学の神庭重信名誉教授、福岡市精神保健福祉センター、宮崎大学、岩手医科大学、愛育相談所の共同研究グループは、ひきこもり者の家族向け教育支援プログラムを開発した。ひきこもりや精神疾患への理解を深めるとともに、ひきこもり者との対話スキルを向上させるためのもので、パイロット試験に参加した家族の追跡調査では効果を上げている。

 九州大学によると、このプログラムは心の応急措置を習得するメンタルヘルス・ファーストエイドと家族訓練などを応用して開発した。ひきこもりの兆候に家族が気づくと、説教をせずに心配で助けたいことを伝え、批判せずに話を聞くなどの具体的な対処法と、ひきこもり者本人が病院を訪れるようにする声かけのスキルを学ぶとともに、架空の事例に対処するロールプレイを実践する仕組み。

 パイロット試験には21人の親が参加し、1回2時間で隔週5回の講座を受講、6カ月間にわたって追跡調査したところ、うつ状態にあるひきこもり症例への対応スキルが向上し、ひきこもり者本人の社会参加に改善傾向が見られた。
研究グループはこのプログラムを基にした家族支援が全国で活用されることにより、ひきこもりの長期化を防ぐ一助になると期待している。
論文情報:【Heliyon】Development of 5-day hikikomori intervention program for family members: A single-arm pilot trial

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九州大学

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