大手書店の丸善雄松堂は、大学など機関向け電子書籍サービスの同時アクセス数を7月末まで期間限定で拡大した。新型コロナウイルスの感染拡大でオンライン授業に切り替えている大学などで教材として利用しやすくするためで、東京大学出版会など人文社会系の出版社6社の電子書籍が対象となる。
丸善雄松堂によると、対象となる版元は東京大学出版会のほか、慶應義塾大学出版会、勁草書房、みすず書房、有斐閣、吉川弘文館の合計6社。大学図書館向けに販売されている電子書籍の多くは、同時アクセス数が1~3人に限定され、授業の教材など大人数での活用を想定していない。
しかし、新型コロナの影響で大学の授業の多くがオンラインとなるうえ、キャンパス構内への立ち入りが制限されて大学図書館が利用できなくなったことから、電子コンテンツを利用しやすくしてほしいとの要望が大学関係者から出版社へ寄せられていた。
このため、出版社6社と丸善雄松堂で協議の結果、6社が丸善雄松堂を通じて販売している電子書籍のうち、一部を除いて期間限定で同時アクセス数を50に拡大することを決めた。なお、同様の同時アクセス数拡大対応は、他の多くの出版社のタイトルについても近日実施される予定である。