関西学院大学は、神戸三田キャンパスに理系4学部(理学部・工学部・生命環境学部・建築学部)の2021年4月開設に向け、2020年4月27日、文部科学省に設置の届出を行った。理工学部を再編して設置するもので、これにより、神戸三田キャンパス(KSC=兵庫県三田市)は文系の総合政策学部と新設理系4学部の5学部体制になる。
環境やエネルギーの問題、健康・福祉、貧困や格差・差別などをはじめとする多くの課題が山積する現代社会。国連はSDGs(持続可能な開発目標)を掲げ、先進国・開発途上国を問わず、これらの課題を解決するための取り組みを進めている。
こうした社会的背景を踏まえて再編される神戸三田キャンパスは、キャンパス全体の重点研究テーマとしてSDGsの目標7「持続可能なエネルギー(Sustainable Energy)」を設定。理学部は次世代有機EL、工学部はパワーエレクトロニクス、生命環境学部は人工光合成、建築学部はスマートシティをはじめとする研究をそれぞれ推進していく。さらに総合政策学部は蓄積された教育・研究成果を活用し、持続可能な社会の実現に寄与することを目指す。
カリキュラム面では、文理の専門分野の基礎科目で構成された「KSC科目群(仮称)」を設置し、文理および学問の壁を越えた学びで複眼的な視野を養う分野横断型の教育システムを確立する。さらに自らの専門に加え、隣接する専攻分野も学ぶ「マルチプル・メジャー(複専攻)」制度を導入し専門性を深める。
さらに神戸三田キャンパス内に、教育環境整備の一環として学生寮を含む宿泊施設を建設する構想も進行中だ。文系・理系学生の交流や国内外の研究者を招き、イノベーションを誘発していく。